お墓の掃除、まず墓石そのものからゴシゴシ磨こうと、力強くたわしを握りしめがちとなりますが、大切なご先祖様のお部屋でもある、墓所敷地内の清掃をおろそかにしてはいけません。お邪魔しますという気持ちで、自分の部屋をきれいにする以上の気合いで、お墓の掃除を始めましょう。掃除しながら、亡き家族やご先祖様に話しかけるような心持で何度もお墓と向き合うと、それだけで、素晴らしいご供養となります。夏場の掃除は、やぶ蚊や蜂など、虫への対策を怠ってはなりません。掃除に専念するためにも、虫よけは必須です。暑さ対策も重要で、炎天下の作業はなるべく避けることはもとより、比較的涼しい時間帯でも、すぐに水分補給ができる準備をしてから、掃除に臨みましょう。草取りなどで、慣れない鎌などを使う折は、あらかじめ道具を良く点検して、怪我をしないよう気を引き締めることも重要です。軍手や水仕事のためのゴム手袋、バケツ、剪定鋏などはもとより、大きめサイズの指定ゴミ袋の準備もお忘れなく。

慣れない作業での怪我にご用心を

ふだん頻繁にお墓掃除をなさらず、帰省などで久しぶりにお参りという折は、慣れないお墓所の中で、不用意に動いてしまい、思わぬ怪我をしてしまうことも。最悪の場合、墓石を倒すなどして、大怪我につながることもあります。ご先祖様としても、せっかくお墓参りにきてくれた子孫が怪我をしてしまっては、あの世でお悲しみになってしまうことでしょう。数名でお墓所に入って清掃の場合は、それぞれの役割分担をあらかじめ決めておいて、例えば草むしりに夢中になるあまり、墓石を磨いている人に激突といったことにならないよう、ふだんと違う場所で作業をしているという自覚が必要です。あまり広くない敷地の場合、お墓所のなかに全員が入らないで、水を汲んでくる係や、敷地の外でお供えの花を準備する係など、役割分担をはっきり決めておくのも良いでしょう。

周りのお墓に迷惑をかけない清掃を

ご先祖様のお墓をきれいにしようと熱中するあまり、隣のお墓所にまで水をたくさん撒いてしまったり、剪定した枝葉が散ってしまったりということも起こりかねません。その場合は、きちんと回収して、迷惑にならないようにしましょう。ご先祖様のためにも、お隣を始め、周囲のお墓への敬意を忘れてはなりません。ご先祖様と一緒に過ごしてくださる、大事なご近所様でもあります。くれぐれも、ゴミが散ったまま残ったりしないよう、清掃終了後は、周囲のお墓の敷地も、よく点検しておくべきです。隅々まで綺麗にしたお墓で、掃除の折とはまた違った向き合い方で、大切な亡き人や、ご先祖様と、ゆっくり語り合いましょう。心行くまでお墓をきれいにし終えたとき、自分自身の心の中もすっきりと整頓されて、満足感と共に新たな気力が湧いてきます。それ自体が、ご先祖様からの素晴らしい贈り物と言えるでしょう。